「で、どんな「虫」なんだ」宇宙港のあるセンター地区からはずっと離れた荒涼とした辺境の一軒に連れてこられたカイザーは不機嫌に言った 近くにロボットや宇宙船の不法投棄場所があるに違いない「スラム街なんてどこも似たり寄ったりだ」
「これを見て」ネイルが持ってきた絵をカイザーたちに見せながらライズが言った
「かわいい~♪」ミーナが描かれたひよこ(?)の絵を見ながら叫んだ「おいしそ~」
「これは祭で買ったひよこだったんです ボクたちはこの子に「チョビクロ」という名前をつけて家族の一員みたいに育ててたんだ」チョビクロという名は、たぶんこのヒヨコの額に三角形の黒い部分があることからついたのだろう。ネイルの絵はだんだん成長していくチョビクロの姿をとらえていた
「チョビクロはたぶんこの星以外から来た異星人種だったんだ ものすごく頭がよかったんだ」
「ある日、ボクたちが学校から帰ったら…ママが殺されてた」
「!」「住民を殺したのか!」それまで気のない様子で聞いていたカイザーが突然目を輝かせて話に割り込んできた「そりゃあポイント高いぞ!」
「近所のおじさんもそこで死んでたし、ホントにチョビクロがママを殺したなんて信じられないんだ」ライズはほとんど泣きそうになりながら話を続けた
「でも、最近この近くでいくつも起きている殺人事件はどうみてもチョビクロが犯人なんだ」「あいつはロボットを使って人を殺すことを覚えちゃった!」
「ふん、ふん、ふん♪まっかせなさ~い!」すっかり上機嫌になったカイザーが身支度を整えながら言うのであった
※イラストブログ[Illust Blog]にてこっそりマンガ試作中…