ずいぶん前にアサトセンセから案を頂いていて、4Pだけ描いて放置していたページを、ストーリー新しく考えてコミカライズしました
タイトルは頂いたままの「Funky Sickdown」です
センセオリジナルキャラの殺し屋、神崎カオルくん、コードネーム「サイレントクロウ」とゼロがモロッコで絡みます
せっかくなので、ストーリー案(リニューアルしたもの)をこちらにアップしておきますね(どなたも見ていないような気はしますが^^)
以前は、それこそ1P進めるごとに、誰かのコメントが入っていたもので、励みになったのですけど、最近ではそういうこともなく、もくもくと一人で作業しなくてはならなかったのが、つらかったですが、先にストーリーが出来ていたのと、コミスタの3Dデッサン人形などで簡単にあたりがとれるようになって、ほぼ1週間で完成しました
自分にとっては脅威のスピード
では、ストーリーのほうをお楽しみください^^
---- Funky Sickdown ---- (たぬくまリニューアルバージョン)
ここはどこだ
食欲がない、ひたすらだるい、水を飲みたい
かすかな危険信号を感じながらも、カオルは判然としない状況を把握しようとした
昨夜、ああ昨夜だ
仕事を終えたあと急にふらついて倒れたことを思い出した
あんなことは初めてだ
あのとき、、、
誰か懐かしい顔を見たような、、、
あれは、、、
ゼロだ!
カオルの全身が危険信号に反応した
ドアは?
一つだ これは危険かもしれない
ベランダ側に窓が大きく開いていた
ふらつく足をカーテンをつかんで何とか支えながら
カオルは用心深くベランダを覗き込んだ
ゼロ!
やはり彼か、ベランダの椅子にゆったり腰掛け、アラビアの街(カサブランカのはずだ・・・)を
眺めている
その美しさに気を許しかけたが、とたんに足がもつれてカーテンと一緒に倒れこんだ
せっかちだなあ
もっとゆっくりしていけよ
含み笑いでゼロが近づいてきた
熱病じゃなかったようだよ、ものすごく衰弱してるようだけどね
原因に心当たりがあった
ここ数週間というものの、日本にあるらしい自分のルーツを探っていた
仕事に差し支えるかもしれない、という不安を上回る焦燥感があった
そのあげくがこれか
オレはもうダメなのかもしれんな
不覚にも流れた涙を拭う手と、口に押し付けられた唇を感じて
カオルは目を開けた
栄養剤だよ
からかうようなゼロの表情を目の前にしてカオルの理性が弾けた
美しい獣をとらえてめちゃくちゃにしたい
もうどうにでもなれ
弱っている身体とは思えない動きでゼロを絡めとると、相手がそう嫌がっていないことに
驚きながらも一方的にコトを進めた
長い時間だったかあっという間だったのか、
ベッド脇の床にそのまま二人で転がっているのにようやく気が付き
カオルの頭に思考が戻ってきた
ここは?
会社(サイバメア)のアジトさ
気にするな
前回の出会いから、カオルはゼロのことを調べていた
会社サイバメアは、依頼品を何でも調達する大企業
実はプロの窃盗集団
ゼロはその会社の重役だったのだ
サイレントクロウ…
ゼロがカオルのコードネームをつぶやいた
ああ、オレのことを知っているんだったな
油断したよ
カオルはゼロを突き飛ばすように起き上がるとすばやく身支度を整えた
ゼロは一瞬あっけにとられたような顔でカオルを見つめていたが
すぐに弾けるように笑い出した
よせよ、お互い様だろ?
ゼロのほうはゆっくりと身支度を整えるとカオルのほうに向きなおった
こちらのクライアントがいなくなったのでね
暇になったのさ
あっ
カオルは昨夜の仕事を思い出した
しかしこんな風にお互いの仕事を暴露するなどと裏社会であってはならない掟であった
気にするなよ
再びゼロが発した
いつかこの相手とやりあうときが来てしまうのだろうか
カオルは初めて理解者を得た喜びと同時に深い絶望を感じた
ゼロ…
カオルは自分でもびっくりしたが、ゼロを抱き寄せ、熱情のままキスをした
行けよ
今度はゼロがカオルを押しやるように押しのけ、ベランダ側を指さした
また…
会いたいという言葉を飲みこみ、カオルは再び闇の世界に戻っていくのだった
ディオ?
ああ今夜戻る…
遠ざかる窓からゼロの通話が小さく聞こえる
彼もまた再び元の世界に戻っていくに違いない
千夜一夜の思い出をこの国に残して…